カバラン蒸留所の元マスターブレンダー、イアン・チャンが加わって2022年に小諸蒸留所が操業開始されるということが、昨年末に発表された。そんな長野県小諸市に、またウイスキーファンには注目のニュースが舞い込んだ。ウイスキーが1,500種類飲めるバー「Bar Zizz」が4月16日に移転オープンしたのだ。1,500種類のウイスキーが飲めるバーといえば、日本有数である。ちなみに、1,000本以上のウイスキーが飲めるバーというのは、日本にはある程度はあるが、海外では、数えるほどしかない。
バーのオーナー・バーテンダーの小山公一さんは、小諸市出身だ。18歳で、上京してバーテンダーとして修業したあとに、小諸市に戻ってバーを始めた。雇われ店長などを経て、1996年に「Bar Zizz」という名前で、小諸駅近くに広いバーをオープンした。
シングルモルトをお店に置きだしたのもこのころである。最初は、クラシック・モルト・シリーズ、ボウモア、マッカラン、グレンリベットなどのオフィシャルからスタートした。お客さんも興味を持ち始めて、本数は増えていき、やがて800本くらいのウイスキーを揃えるようにまでなった。しかし長野新幹線が小諸を通らなかったことで、人の流れが変わり、2007年に新幹線の佐久平駅近くに移転した。
14年ほど佐久平で営業し、ウイスキーの本数は1,500本近くに増えた。しかし出身地の小諸に戻りたいという気持ちが強くなり、元の店の近くで移転オープンすることになったのだ。地域を活性化して、小諸の飲食業界の人々に恩返しをしたいと考えている。小諸のワイナリーのワインやシードルも提供していくつもりだという。
お店はウッディな雰囲気で、バックバーや、壁一面にウイスキーが並んでいる。60年代から70年代蒸溜のモルトや、レアなジャパニーズ・ウイスキーもある。ウイスキー・ミュウのボトルも毎回買っていただいている。
ウイスキー・ミュウのボトルも並んでいる。
小山公一さん。手にもつのは、ゲッターロボのウイリアムソン2006。ゲッターロボの基地は小諸市にあることになっている。
アードベッグの黄金時代の70年代蒸留のボトル。小山さんは、アードベッグのドライなピーティさが好きだという。
貴重なボトルも、カウンター横の棚に並んでいる。
4月に発売になった、小諸市にあるジオヒルズというワイナリーのスパークリング。
2021年4月執筆
文/山岡秀雄、写真/山岡美佐子