ウイスキーは複雑で、味わうたびに発見がある。
WHISKY MEWはそんな多様性をみなさまに伝えていきたい――。
シングルモルトをこれから嗜みたいと思っている方に向けて、
ウイスキーの愉しみ方”をご案内します。
ウイスキーの歴史や製造方法も奥深い。世界各地の蒸溜所の特徴も様々です。 今回は、ウイスキーを嗜む“はじめの一歩”として、 WHISKY MEWで販売したボトルのラベルを参考に、ウイスキーのウンチクを追いかけていきます。
①Single Malt Whisky
②Matured in a Hogshead
まず、漫画タイトルの次に大きく表示されているのが ①。
前項でお伝えしたように、シングルモルトのスコッチであることがわかります。
ラベルにより表示される情報量が異なりますが、ラベルにある小さな情報を掴んで、樽が長く眠っていたことを想像したり、自分の中で新たな気づきが生まれたりしながら、愉しむことができます。
① Single Malt Scotch Whisky
② aged 23 years
③ distilled at IMPERIAL distillery
④ Matured in a Barrel
⑤ Cask No.7853
⑥ distilled Nov.1995 Bottled Sep.2019
⑦ Elixir Distillers,London
⑧ 70cl
⑩ 54.1% alc/vol
☆スコッチウイスキー…スコットランドで造られたウイスキー
☆シングルモルト…ひとつの蒸溜所のモルトウイスキー
糖化から発酵、蒸留、熟成までをスコットランドで行われたウイスキーのみがスコッチ・ウイスキーと呼ばれる。700ℓ以下の容量のオーク樽で熟成期間は3年以上、等の定義がある。種類は、モルトウイスキーとグレーンウイスキー、ブレンデッドウイスキーがある。麦芽を乾燥させる際、燃料として泥炭(ピート)を使うことで、煙臭く、薬臭い薫香タイプのピーティータイプのウイスキーがあるのも特徴のひとつ。
ひとつの蒸溜所で造られたモルトウイスキー。
1、シングルモルト:ひとつの蒸溜所で造られたモルトウイスキー。「ひとつの蒸溜所」の「ひとつの樽」から瓶詰されたウイスキーをシングルカスクと言います。
2、ブレンデッドモルト:複数の蒸溜所で造られたモルトウイスキー
で発売するボトルは主にシングルカスクをボトリング(瓶詰め)しているため、樽からとれる本数が限られます。よって数量限定販売となります。
同じ熟成庫でも、上の棚か下の棚か、入り口付近の棚か奥の棚か・・・熟成中の樽の所在地で熟成の様子が異なります。したがって、香りも味もすべて違うため、樽ごとにテイスティングします。
☆熟成年数。樽に入れてから熟成23年間。
☆蒸溜所名。IMPERIAL(インペリアル)蒸溜所で造られた。
☆樽タイプ。バレル樽で熟成。※表を参考
サイズだけでなく1st fill(新樽)やLaphroaig Barrel(ラフロイグが入っていた樽を使用)などの樽情報があることも。
抜粋:ウイスキー・ライジング(小学館)より
樽 | 容量(ℓ) | 特徴 |
---|---|---|
Butt(バット) | 500 | バットはシェリー樽と同義であるが、例えばニッカなどは、シェリーを入れたことのないバットを作っている。(例:ヴァージン・オーク・バット) |
Hogshead(ホグスヘッド) | 250 | バーボン・バレルの側板を使用し作られる。5丁のバレルを壊し、側板を組み替えると4丁のホグスヘッドができる(新しい鏡板は必要になる)。 |
Barrel(バレル) | 195 | バーボン業界で、デフォルトで使用される樽のタイプ(アメリカでスタンダードな樽)。日本や他の国で、もっとも普遍的に使用される樽のタイプ。 |
抜粋:ウイスキー・ライジング(小学館)より
☆樽の管理番号。No.7853の番号が振られた樽で熟成された(置かれていた場所がわかる)。
シングルカスクのボトルにしか表記されない。
☆蒸溜年月。蒸溜後樽に詰められたたのが1995年11月。
瓶詰年月。樽からボトルに詰められたのが2019年9月。
☆ボトラーズ(瓶詰業者)の名前。
☆容量。clはセンチリットル。1/100ℓ。
☆アルコール度数。スコッチは瓶詰めアルコール度数は40%以上と決められている。
☆スコットランド内の以下に分類される産地名。
スコッチは6つの産地で分けられます。
1.ハイランド
2.スペイサイド
3.ローランド
4.キャンベルタウン
5.アイラ
6.アイランズ
ウイスキーは自然(水や気候や温度、湿度等)により特徴が大きく造られることもあり、産地によって、特徴が出てきます。
スコットランドの地域によって、ウイスキーに特色がある。
総務部総務課 山口六平太 ラベル
グレンマレイ2008
香り:透明感のあるアロマ。甘いキャンディーやトフィー。さわやかな柑橘系の果肉。
フレーバー:ライトでフルーティー。モルティーで、かすかにジンジャー。スムーズでソフト。加水するとさらにスムーズになる。
総合評価:57.8%のアルコール度数を感じさせないほどにスムーズ。すぐもう一杯飲みたくなる。
まずはストレートで少し口に含んで。香りと味を確認。どんな果実の味がしますか?その後はハイボールもおすすめです。
デビルマンラベル
アイラピーテッドブレンドモルト2009
香り:ほのかにシェリー樽由来のドライフルーツとチョコレート。やや硫黄の香りが牛肉の旨味のニュアンスにつながる。徐々にグレープフルーツのフルーティさが出てくる。
フレーバー:しっかりとピーティだが、スムーズで心地よい。フルーティさが、樽由来の特徴に打ち勝っている。
総合評価:いわゆるティースプンモルト。ピーティングレベルは高いが、フルーティさもある蒸溜所のモルトであると思われる。
こちらもまずはストレートで。印象がどんどん変わるので、このままじっくりストレートもOK。変化球は、グレープフルーツジュース割り!